投稿日:2010-02-07 Sun
昨日2月6日は私の故郷、新宮の「お燈祭」でした。この祭りは神倉神社の例祭で、勇壮な火祭りとして知られています。松明を持った男たちが山の上の神社から石段を一気に駆け下りるその様子は、遠くから眺めると”火の龍”のように見えます。女人禁制の祭りで、”上り子”と呼ばれる男たちは1週間前から女性には触れず、食べ物も白いもの(白飯、大根、白いハンペン、白身魚など)のみを食べ、精進潔斎してこの日を迎えます。
高校を卒業してからずっと新宮を離れていて、帰るのは盆と正月ぐらいなのですが、昨年ぐらいからちょくちょく帰っています。この間、電車の時間まで小一時間ほどあったので、久しぶりに市内をブラブラしてみました。
新宮駅前のお燈祭の看板と銅像。


駅前には”徐福公園”があります。新宮では徐福は秦の始皇帝の命令で不老不死の霊薬を探しにこの地にやってきて、その薬「天台烏薬」を見つけたと信じられています。この公園には徐福の墓も建てられています。




市内には熊野三山の一つ、世界遺産に指定された”熊野速玉大社”があります。繁華街から少し離れたところにあり、昼間でも静かな佇まいを見せています。門の左右には奉納された地酒の樽が無造作に積み上げられています。



新宮は城下町で、今でも丹鶴城の城跡が残っています。城下町だった名残りは”新鍛冶町”などの地名に見られますが、合気道や茶道も盛んです。お茶が盛んなためか、狭い市内ですが、和菓子屋さんが数軒あります。その中の一つ、”香梅堂”。”鈴焼”という鈴の形をしたカステラがおいしくて、必ずお土産に買って帰ります。

さて、新宮には”浮島の森”という不思議な場所があります。沼に浮かんだ材木などに草や木が生えてやがて腐葉土が堆積し、沼の泥地から発生したメタンガスなどとの偶然のバランスが生んだもので、温暖な地方の植物と寒冷な地方の高原生の植物とが混在する珍しいものです。天然記念物に指定されています。島内には遊歩道が作られていて、歩くと島全体が揺れて不思議な感覚になります。私が小学生の頃に沼の水質汚染がひどくなり、島が沈みかけたことがあって、しばらく立ち入り禁止になっていましたが、久しぶりに行ってみるときちんと整備されていて、学芸員の方がわかりやすく説明してくれました。浮島には熊野川に通じていると信じられている井戸があり、上田秋成が”雨月物語(蛇性の淫)”のヒントを得たと言われています。




今回久しぶりに市内を歩いてみて、駅前通りもアーケードのある商店街もずいぶんシャッターが下りた店があって、ちょっと元気がなくなったように感じました。小さな町ですが、佐藤春夫記念館など、他にもまだ見所はたくさんあります。電車でも車でも4時間ほどかかりますが、近くには一昨年Frameworkで行った勝浦温泉や湯の峰温泉などもあり、なんと言っても美味しい魚が食べられるので、ぜひ一度ゆっくり出かけてみてください。
by ぽっぺん
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投稿日:2010-02-04 Thu
この前の日曜日、息子と一緒に映画「AVATAR」を見に行ってきました。この映画、なんといっても3Dが体験できることが一番の楽しみでした。映画館に入ると専用のメガネを渡されます。

こいつがかなり大きくしかも重い。そして画面が暗い。このメガネは左右のレンズにシャッターが仕込んであって、スクリーン前方からの信号を受け取って左右交互にシャッターを切ることで立体映像を見せる仕掛けだそうで、結果的に半分の時間はシャッターが閉じているので画面が暗くなるようです。重いのはシャッターをきるための電池が入っているせいでしょう。大きめなのでメガネをかけた上からでも問題なくかけることが出来ますが、重くてズリ下がるのでちょうどいいポジションをキープするために、ずっと手で支えることになってしまって、結構疲れました。目にも相当の負担がかかるみたいで、後半は涙が出てきて少しツラかったです。
映画館によって3Dの方式が異なっているみたいで、「XpanD」「RealD」「Dolby3D」「IMAX3D(デジタル)」の4種類あるそうです。今回観たのは「XpanD」方式でメガネはレンタルでした。レンズがかなり汚れていたので見る前に拭いた方がいいですね。もともとこの映画は「IMAX3D」を想定して作られているそうなので、近くにその方式の上映館があればその方がいいと思います。(ただし、関西では箕面だけらしいですが…)
子どもと一緒なので字幕はしんどいだろうということで日本語吹き替え版にしましたが、これが正解でした。字幕に気を取られることなく3D映像に集中できました。3Dの臨場感は本当に素晴らしい。肝心の映画の内容は、ポカホンタスとスターウォーズを足して2で割ったみたいな(?)いかにもアメリカ人が好きそうなお話。私は途中で最後のオチがわかってしまいました。殺し合いの場面が多くて残念でしたが、文明批判や心理描写もしっかりしていて、なかなか見応えのある映画でした。音楽も素晴らしくて、特にエンディングのテーマ”I See You”がいい曲でした。
by ぽっぺん
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